「普請」の思いを持って。

「平成30年７月豪雨」において被災されました方々には心よりお見舞い申し上げます。

岡山県はかねてより地震や台風等の被害に遭うことが少なく、自然災害の観点からは比較的安心して暮らせる土地だと子供の頃よりずっと思っておりましたので、まさかこうした天災を目の当たりにするとは想像もしていませんでした。

1968年の創業以来、各種公共工事を主軸に地域のみなさまのご要望にお応えできるよう、仕事をしてまいりましたが、近年の災害報道において普段私たちが造る道路や擁壁などの構造物がいとも簡単に壊れてゆく姿を見るたび、自然界においては人間の造り上げた物など微々たるものだと痛感させられます。

現代でいう土木・建設業というのは、江戸時代の「普請」と「作事」にさかのぼり、普請が土木、作事が建築をさしていたようです。弊社の事業である土木、すなわち普請の「普」とはすべてを、「請」とは保証して引き受けることを意味しており、工事の完成を完全に保証することが日常使用している「請負」の言葉につながるとされています。

歴史という大きな時間の流れにおいては、一人の人間が生きる時間などまばたきのごとく一瞬であり、大自然の持つ力に比べれば、私たちの造ったものなど悲しいほどに非力です。しかしながら、土木・建設業の任務である社会基盤の整備をはじめ、同じ時代を共に生きる方々が快適な生活を送れるような町づくりの一翼をこれからも「普請」の思いを持って担って参りたいと思います。